焦げて黒くなった抵抗 |
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抵抗の定格は1/6W、330Ωだ。その抵抗がこんな具合に焼けたとすると1/2W程度まで印加電圧が上がったと思われる。
電力(W)=電流(I)×電圧(V)=(V*V)/R(抵抗値)
の式から、印加電圧を推測すると大体 V=13V だ。
USBの定格は5Vなので、こんな大きな電圧が印加されてはスマホも壊れてしまう訳である。ドコモに修理を出したら、電池も壊れていた。
さて、3端子レギュレータが壊れ過電圧がスマホに印加されたと思われるが、何故3端子レギュレータが壊れたのだろう。
推測するに、あの時
①充電電流を増やそうと、電池(エネループ)を外した
↓
②急坂で速度が低下し、スマホの充電開始電圧の閾値を上下した。そうすると充電開始の都度「ピッポ」と音がして煩いので、スマホを外した。
↓
③負荷が軽くなり、ハブダイナモの出力電圧が上昇した。
↓
④峠の下りで40km以上なり、3端子レギュレータの最大入力電圧を越えた
↓
⑤3端子レギュレータが壊れた。
↓
⑥回路が壊れたことに気づかず、スマホを接続した。
↓
⑦13Vの電圧がスマホに印加され壊れた(悲しい)
という過程を辿ったと思われる。
自作した充電回路の大きな欠点として、スマホまたはエネループを接続しておかないと、速度が速いときに3端子レギュレータが壊れるという事が分かったのである。これでは使用に耐えないので改良を行った。
改良点
・整流用ダイオードの容量を1A→4Aに変更
・3端子レギュレータ保護用に、5W、5.1Vのツェナーダイオードを3個直列に追加
・3端子レギュレータ保護用に、逆電圧防止のダイオードを追加
・エネループ充電用回路を削除しシンプルにした。
測定結果
①何も接続しない場合、開放
測定 | 走行速度 | |||||
5km | 10km | 15km | 20 km | 25km | 30km | |
AC入力 | 4.5 | 8.4 | 12.0 | 15.3 | 17.2 | - |
DC入力 | 8.0 | 14.2 | 14.7 | 15.0 | 15.1 | - |
DC出力 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
②ポケットチャージャー02を接続
測定 | 走行速度 | |||||
5km | 10km | 15km | 20 km | 25km | 30km | |
AC入力 | 4.3 | 5.8 | 6.0 | 6.1 | 10.0 | - |
DC入力 | 7.0 | 4.7 | 4.8 | 4.9 | 5.3 | - |
DC出力 | 4.4 | 4.5 | 4.6 | 4.6 | 4.8 | - |
※ポケットチャージャーは多分60%充電されたものを使用
※この感じだと、充電電流は1A近い
回路図
回路図Rev2.0 |
これで、もう一度フィールドテストを行うことにする。スマホなどを直接、接続するのは止めてモバイルバッテリーを接続することにする。それなら壊れても被害が少ない。
作り直した充電器 |
【その後】
約1ヶ月の自転車旅行中、特に問題なく使うことができた。下りでは時速60kmのときもあったが回路が壊れることは無かった。これで完成という事にしよう。
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大変参考になりました。わたくしも、自転車旅行が趣味のものです。
返信削除現在のところ、野宿(テント泊)の自転車旅行はやってないのですが、近いうちに挑戦したいと考えております。
そこで、私もダイナモ充電器の自作に挑戦したいと考えておりますが、電気工作の素人です。まず、入門書なりで勉強したいのですが、何か良いものがあれば、ご教示ください。
コメントに気がつかず、申し訳ない。そんなに難しい回路ではないので、秋月電子の通販で部品を買って挑戦してみてください
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