2013年5月19日日曜日

ハブダイナモ充電器(その6)

四国お遍路自転車旅行でハブダイナモ充電器が壊れてしまった。それだけならまだしもスマホまで壊れてしまった。原因は判っている。3端子レギュレータが壊れ、過電圧が印加されたのである。

焦げて黒くなった抵抗



抵抗の定格は1/6W、330Ωだ。その抵抗がこんな具合に焼けたとすると1/2W程度まで印加電圧が上がったと思われる。

電力(W)=電流(I)×電圧(V)=(V*V)/R(抵抗値)

の式から、印加電圧を推測すると大体 V=13V だ。

USBの定格は5Vなので、こんな大きな電圧が印加されてはスマホも壊れてしまう訳である。ドコモに修理を出したら、電池も壊れていた。

さて、3端子レギュレータが壊れ過電圧がスマホに印加されたと思われるが、何故3端子レギュレータが壊れたのだろう。

推測するに、あの時

①充電電流を増やそうと、電池(エネループ)を外した

②急坂で速度が低下し、スマホの充電開始電圧の閾値を上下した。そうすると充電開始の都度「ピッポ」と音がして煩いので、スマホを外した。

③負荷が軽くなり、ハブダイナモの出力電圧が上昇した。

④峠の下りで40km以上なり、3端子レギュレータの最大入力電圧を越えた

⑤3端子レギュレータが壊れた。

⑥回路が壊れたことに気づかず、スマホを接続した。

⑦13Vの電圧がスマホに印加され壊れた(悲しい)

という過程を辿ったと思われる。

自作した充電回路の大きな欠点として、スマホまたはエネループを接続しておかないと、速度が速いときに3端子レギュレータが壊れるという事が分かったのである。これでは使用に耐えないので改良を行った。

改良点
・整流用ダイオードの容量を1A→4Aに変更
・3端子レギュレータ保護用に、5W、5.1Vのツェナーダイオードを3個直列に追加
・3端子レギュレータ保護用に、逆電圧防止のダイオードを追加
・エネループ充電用回路を削除しシンプルにした。

測定結果

①何も接続しない場合、開放
測定走行速度
5km10km15km20 km25km30km
AC入力4.58.412.015.317.2-
DC入力8.014.214.715.015.1-
DC出力5.05.05.05.05.05.0
※ツェナーダイオードの効果でDC入力電圧が飽和している

②ポケットチャージャー02を接続
測定走行速度
5km10km15km20 km25km30km
AC入力4.35.86.06.110.0-
DC入力7.04.74.84.95.3-
DC出力4.44.54.64.64.8-
※ポケットチャージャーは多分60%充電されたものを使用

※この感じだと、充電電流は1A近い


回路図

回路図Rev2.0

これで、もう一度フィールドテストを行うことにする。スマホなどを直接、接続するのは止めてモバイルバッテリーを接続することにする。それなら壊れても被害が少ない。

作り直した充電器

【その後】
約1ヶ月の自転車旅行中、特に問題なく使うことができた。下りでは時速60kmのときもあったが回路が壊れることは無かった。これで完成という事にしよう。


その5に戻る

2 件のコメント:

  1. 大変参考になりました。わたくしも、自転車旅行が趣味のものです。
    現在のところ、野宿(テント泊)の自転車旅行はやってないのですが、近いうちに挑戦したいと考えております。
    そこで、私もダイナモ充電器の自作に挑戦したいと考えておりますが、電気工作の素人です。まず、入門書なりで勉強したいのですが、何か良いものがあれば、ご教示ください。

    返信削除
    返信
    1. コメントに気がつかず、申し訳ない。そんなに難しい回路ではないので、秋月電子の通販で部品を買って挑戦してみてください

      削除