2013年1月13日日曜日

旅行用の自転車について

長期間の自転車旅行は、ランドナーが良いと思う。直進性が良いし、キャリア装備用のダボ穴があるからだ。ロードをツーリング用に改造してキャンプしながら北海道を旅行したことがあるが、次の様な問題があった
  • 上腕の筋肉が疲れる(重い荷物と、クイックなハンドリング特性が原因)
  • 高速の下りでハンドルが左右に振られる事があった(原因は多分、同上)
  • キャリア取付け用のネジが破損(ダボ穴が無いので耐久性が悪い)
1週間程度の旅行なら大丈夫かも知れないが、1ヶ月以上の旅行となるとかなり厳しいと思う。そこでランドナー仕様の自転車を購入し、カスタマイズすることにしたのである。

購入直後の写真



ベースにした自転車はパナソニックのPOSのツーリング車(OSC8)である。海外での自転車旅行も視野に入れ、通常の700ccでは無くMTB仕様の26インチの自転車を選んだ。オーダー内容は次の通りである。
  • フレームサイズ・・550mm
  • ハンドルバー幅・・400mm
  • ステム突き出し・・70mm
  • 塗装(カラー)・・レーシングカラー

失敗もあった。ネームの文字色を”白”で指定してしまった為、フレーム色と同じになってしまって、ネームが見えないのである。


  駆動系  

標準のクランクセットは、スギノ XD500T 48X38X28T 170mmであるが、これをスギノZX801D Compact Plus+40TX28T 172.5mmに変更した。Qファクターは短い方が良いし、自論としてトリプルは不要と思っているからだ。リアのフリーホイールは標準のまま(8速、11~32T)だ。

Compact Plus+

ギア比の組合せで、速度がどうかわるかを計算したのが下図である。


通常は、前40T/後18Tの組合せでのんびり(だいたい15km/h~18km/h)走っている。当初は変速の際、STIのつもりで右手の指が「クイ」と動いてしまったが、現在はダブルレバーにも慣れて違和感は無い。

これぐらいの軽いギア比じゃないと、重装備で斜度10%の坂は登れないと思う。そして、これ以上軽いギア比だと速度が遅すぎて(5km以下)安定しなくなる。


  サドル  

革サドルに慣れていることもあり、標準装備のサドル、VL-1221(VELO製)はとても痛かった。当初はロードにつけていたBrooksのSwalowを移植していたが、普段着で乗ると太腿の内側が擦れる感じだったので、ツーリング用の革サドルであるB17を購入した。オイルを4回ほど塗ったが、まだ硬く少しお尻が痛い。1,000kmくらいは乗らないと駄目だろう。

BrooksのB17


  ペダル  

私はビンディングペダル派であるが、テント設営後に買出しやお風呂などでサンダル履きで自転車にのることも多かった。その経験も踏まえ片面フラット片面SPDのペダル(PD-M324)にした。ロード用の PD-A530はフラット面が滑りやすいので、MTB用のペダルを選択した。重量が533gと重い。

PD-M324
【その後】
輪行時に便利なのと、ペダリング効率を考える旅行では無いのでSPDに拘ることを止め、着脱式のペダルに変更した。

MKS(三ヶ島)TOURING-LITE(ツーリングライト)


  フロントライト  

この自転車は標準でフロントキャリアが装備されていて、そのキャリアにフロントライト取付け用のバーがついていた。これは嬉しい。

フロントキャリアにはライト取付け用バーが溶接されている

標準装備のライト(Panasonic SKL100S)は暗すぎて実用に耐えないので、Hope社のvision one ledに交換した。夜に多摩川CRを走るとウォーキングの人々が多く危険だが、このライトなら大丈夫だ。

多摩川CRにて


  リアライト  

この自転車は、後ろの泥除けにリフレクタが付いているので道路法規上の問題は無いが、リアキャリアのライト取付用の穴が寂しそうだったので、リアライトを付けてしまったのである。
大きなテールランプ

このライトはドイツ製、BUSCH&MULLER(ブッシュ&ミューラー) 社のD'TOPLIGHT permanent だ。さすがドイツ、質実剛健って感じだ。ちなみにドイツでは夜間リアライトの点灯が義務付けられている。


  手製のボトルホルダー  

水は貴重だ。2ℓの水があれば、晩と翌朝の自炊ができる。ポリタンクを装着できるボトルホルダーを探したが市販されていなかった。バッグに入れると左右のバランスが悪くなりそうなので、フレームに取り付けたいと考えた。「無ければ作ろう」という事で、ポリタンクホルダーを自作した。

2ℓのポリタンクがピッタリ

アルミ丸棒を曲げ針金で穴を空けたアルミ板に固定しフレームにネジ止めした。もう一度作れば、もうちょっと綺麗に加工できると思う。

手製のボトルホルダー


  サイクルコンピュータ  

ケイデンスや心拍数を計測する必要が無いので、ワイヤレスで一番安かったキャットアイ(CAT EYE)サイクルコンピュータ 、CC-VT100Wを買った。走り始めると自動的に計測を開始するので記録忘れが無い。それとステムに取り付けできるのも便利である。

ステムに取付けたサイクルコンピュータ

  携帯ポンプ  

ロードに乗るときは、機能美も考慮しLEZYNEの携帯ポンプを使っているが、長期間の旅行の場合必ず空気を入れる必要があるので、作業性を優先して携帯ポンプを選定した。それが、GIYO マイクロフロアポンプ IN-LINEゲージ付 GM-71である。このポンプは
  • 足で固定できる → 力を入れ易い
  • 簡易空気圧計付き → 一応目安になる
  • ホース付き → バルブの付け根を傷めにくい
という利点があり、価格も¥1,780と安かったのである。




【後日談】
ロードと違い、厚く重いチューブは空気がなかなか抜けない。ロードは1週間で2barくらい空気が抜けるが、このチューブは1ヶ月経っても殆ど空気が抜けない。 したがってパンクしなければ携帯ポンプの出番は無さそうだ。そして、このタイヤとチューブの組合わせだと、パンクする気がしない。そこで、作業性より携帯性を重視してLEZYNEの携帯ポンプを持っていくことに変更した。


PRESSURE DRIVE(s) 170mm、90g



  ハブダイナモ  

走行中にスマホや電池を充電したかったので前輪をハブダイナモ付きにした。使用したハブダイナモは、SHIMANOのスポーツハブダイナモ、DH-T660-3Nである。ホイールは手組みしてもらった。ハブダイナモの重量はおよそ400gだった。走る時、ペダルが重い感じもない。

ハブダイナモ
これにより、スマホや電池の充電を自給(自走?)自足することが可能となった。手製の充電アダプタなどの詳細は「こちら」。


  タイヤ  

タイヤは標準のTOURER 26X1.5HE FVのまま変更していない。通常のママチャリより太いタイヤ、23c(460mℓ)のタイヤと比べはるかに多い空気容量(約1500mℓ)、これにより悪路での高い走破性と快適な乗り心地が可能になるのである。よって、この自転車に乗るときはパッド付きパンツは穿いていない。



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